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うつりが。の続き、匂いのついた経緯、というわけでテオ伊です。
エロにまで到達できなかった。orz
詳しい解説は後半で・・・・できたらいいなあ(弱気
学校帰り後輩の少年に頼まれた品物を買いに寄り道をした。
頼んだとは本人談で、頼まれた順平自身としては正直脅しじゃないかと思っている。書かれたメモによるとわざわざ遠出しなければ売っていないらしいそれは、実際日々の塔の攻略で稼いだ金で十分買えるが、小学生が買うには聊か高価すぎて不自然で、なるほどだから自分に任せたのかと納得した。
入り組んだ路地の、更に奥まった場所にその店はあった。よく見ないと見落としてしまうほどの目立たない傍らに立て掛けてある看板の文字とメモに記されてある店名を何度も照らし合わせて、ここが目当ての店だろうと息を吐いた。
ノブを掴みひっぱると軽快なベルの音があたりに鳴り響いた。
扉が開いた瞬間一瞬空気が変わった気がしたが、此処に至るまでに散々迷っていた順平は頼まれた用事を早く済ませて帰ろうと気にせずに境を跨ぎ越えた。
途端に、何かやわらかいものにぶつかった。
「おわっ!すんませ・・・・・っっっ!!!」
下を向いていて気づかなかったらしい、慌てて謝りながらぶつかった人物を見上げ絶句した。
風変わりな青い制服
順平の先輩をもしのぐ白い肌。
慌てて周りを見待たせばそこはいつの間にか青一色に空間が染まっていた。明らかに違う世界。そう、たとえるなら影時間に似た。
「テメェっ・・・・・!!」
どうして忘れられていたのだろう。一気にあの時の記憶が、絶望が、そして圧倒的な恥辱と快楽が脳裏に鮮明に蘇ってくる。
順平は今の今まで一切「此処」のことも、彼のことも思い出さなかったことに始めて気が付いた。
「お久しぶりです。その様子ですとどうやら思い出して頂けたようで」
目が合うと整いすぎて人形めいた顔立ちがやんわりと微笑んだ。
優しげに微笑む姿からは想像もできないが、順平は彼がその気になったらどれだけ相手の意思を無視して強引に迫ってきたか忘れてはいない。
「離せよ!!」
背に回された腕は抱きしめるというより軽く添えられていた程度で抵抗すれば思いのほか簡単に離れられたので、そのまま踵を返した。ここがどこだかわからないが、とりあえず彼から少しでも離れた場所に移動したかった。
入ってきた扉を通りけると青い回廊に飛び出た。様々な形や色をした扉が一定の間隔で規則正しく並んでいる。一番近くにあった扉を開いてその中に飛び込む。再び同じような回廊に出たので扉を開けた。また廊下に出た。
扉、扉、扉、扉。いくつ開けてもどれだけ走っても終わりの見えない逃亡に気が狂いそうだった。
そうして扉をいくつもいくつも開けて小さな部屋にたどり着いた。
寮の順平に割り当てられた部屋とさほど代わりがない大きさの、その中央に立つ人物。
慌てて振り返るがそこにあるはずの扉は――――消えていた。
「っ!?」
つまり自分は出口のない密室にまんまとおびき寄せられたわけだ。道理であんなにあっさり逃がしたはずだ。
胸に手を当て優雅に一礼したその姿に、何故だろう首筋にすっと、鋭い刃を押し当てられたような心地になった。
「私の領域にようこそ。存分におもてなしを致しましょう」