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道化達の狂乱

幾伊です。発掘して調整してみた。

幾月サンってほんっと意地悪ぃ。
ちょっとだけ、うん、ちょっとだけだよー?無茶をする回数を増やしただけじゃん。
どうしってって、そりゃー真田サンが治してくれる機会増えるし?
ぱぁって優しい光が出て、あったかい感触。そういう治してもらってるって感じるの、好きなんだ。
それに真田サン、たまーに哀しそうな顔して傷口見てんだ。
そのくせオレと目が合うと、いつもの無表情に戻るけど。
それってオレのこと気に掛けてくれてるってことだろ?
すげー嬉しいんだ。
真田サン、すっげえ生き方キレイなんだ。
馬鹿みたいにまっすぐ進んで、後ろなんか知ったこっちゃない。
何があったって一人でも勝手に生きていける。
・・・・・・・・・ほんと、キレイ。
だから、アノヒトがオレの事で悲しむのって、

 

 

キラキラと目を輝かして彼のことを語る少年は、まさにヒーローに憧れる幼い少年そのもの。
その顔に先ほどまで自分の下で喘いでいた片鱗などどこを探したって見つからない。
躰に情事の痕が幾ら残っても、結局少年の心には一欠けらたりとも残りはしないのだろう。

 

痛みには忘却を。
求めるものは快楽を。
日常には道化という仮面を。
器用で、不器用で、後ろ向きで、前向きで、愚かで、聡明。
そんな少年をそう遠くない未来に偉大な皇になることが決まっている自分は愛して『やって』いる。
ただしそれは、自分の意のままに働く、性能の良い道具に向ける愛情と変わりはない。
或いは、興味深い研究動物に対する感情か。
そのことにこの、他人の感情に聡い少年はどこまで気付いているだろう。

 

彼の中では矛盾していないらしいその性格は極端でありながらその実自分を守ることに特化している。
実に興味深い。
この少年もいつかは自分が皇となるための贄となる。
そんな未来も知らずこの少年は自分の下で組み敷かれ淫らに喘ぐのだ。
・・・・・・・ああ、嗚呼なんて愛おしい。想像しただけで、達しそうになる。
それすらもこの子供は笑って受け入れるかもしれないけれど。

 

贄となるのが先か、はたまたこの少年に密かに思慕の念を抱いている少年曰く『綺麗』な人物が、この関係に気付くのが先か。
幾月は言う気はないけれど、存外にあの青年は鋭いから、自力でこの現場を押さえてくるかもしてない。
どちらにせよ、いい玩具になるだろう。

 

その日が、とても、たのしみだ。

 

無邪気に笑う少年に合わせて、己も心から嗤った。

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